こども宇宙ダンス

 

こども宇宙ダンス

[1]

[2]

[3]

◆川崎久美
(キュレーター、川口アートギャラリー)

「毎日300人近い来場者で、スペースチューブは大人気です! なんだかすごい光景でした。沢山のこどもたちが、チューブにもぐりこんでは、出てきて、またすぐに入り口に並び・・・の繰り返しで、こんな風にこどもたちが興奮する光景は見たことがありません。なにか脳内モルヒネ!? でも出ているのでしょうか。スペースチューブには魔物がついているようです。」

[こども宇宙ダンス プロモーションビデオ]

…………………………….

『スペースチューブ体験への誘い』

高柳雄一
多摩六都科学館・館長 元・NHK解説委員

「GPS、気象衛星、放送衛星・・。無数の情報の海に生きる私たちにとって、身体で直接環境を知る感性の働きを意識する機会は急激に減少しつつあり、人間にとって感性の働きを意識して感じる機会はそれだけ貴重なものになっている。スペースチューブを使った身体全体による世界の自覚体験、それによる表現の試みは意識下に埋もれている感性を蘇らせ、集団で共有できる新たな世界を知る冒険になるに違いない。多くの皆さんの体験的参加を呼びかけたい。」

…………………………………

[推薦文]

岩本裕之(宇宙航空研究開発機構 / JAXA)
『宇宙開発とスペースチューブ』

光盛史郎(宇宙航空研究開発機構 / JAXA)
『スペースチューブ~宇宙時代の感覚統合装置』

[宇宙開発とスペースチューブ]

こどもたちとその親を招待し、「ウォーキングダンス・委ねる・バランスをつくる・闇の中で耳を澄ます・光の中で身体が溶け出す感覚を味わう・リアルな身体を映像の身体に重ねる・浮遊し、落下する」の7テーマのワークショップによる『こども宇宙ダンス』を実施します。そして、最後にワークショップの成果として、こどもたちによるミニ・スペースダンス公演を実施します。私たちはこのプロジェクトを、科学館・美術館・小学校・幼稚園等における課外授業として、「新しい科学教育」の一環として開催します。

……………………………………………….

■コンセプト

私たちは、このプロジェクトを『新しい科学教育としてのこども宇宙ダンス』として発展させます。急速に進展する情報社会とこれから本格的に到来する宇宙時代を生きることになるこどもたちにとっては、『新しい科学的センス』を身につけることが必須の課題になると考えるからです。

スペースチューブ体験を通して、こどもたちは身体感覚を充分に回復でき、「情報社会では人びとの身体感覚が損なわれる」という大きな社会的問題の解決に役立てます。また、こどもたちは、仮想現実・拡張現実・人工知能・ロボティクス等のテクノロジーによる「世界の仮想化」が急速に進む現代社会において必要になる「リアル(現実)とバーチャル(仮想)の区別を判別する能力」についても、スペースチューブ体験により容易に身につけることができます。

スペースチューブ体験を通して、こどもたちは、最初にリアルの大切さについて学び、次に仮想の価値について認識し、最後にリアルと仮想の調整の仕方について学び、もって生きるために必要な「新しい科学的センス」を身につけます。

……………………………………………….

■4つのタイプ

私たちが長年取り組んできた経験では、こどもたちのスペースチューブ体験の様子は、大別して4つのタイプに分けられます。新しい動きの開発に熱中する「運動派」。スペースチューブの布やロープに触ったり、スペースチューブの全体像が気になる「構造派」。スペースチューブの内部に形成される美しい形態に見とれる「幾何学派」。彼らにカメラを渡すと大人も驚く素晴らしい写真を撮ります。スペースチューブの内部では未知の音が聴こえたり新しい匂いがすると言い出す「感覚派」。

身体的体験のレベルでもこれだけこどもたちの傾向が違うことは、こどもたちの見かけの印象とははるかに異なるため、私たちには常に新鮮な驚きでした。ここで見られるタイプを、こどもたちに押しつけることなく、見守ることで、こどもたちの「新しい個性」の開発に役立てると思います。

そして、こどもたちがスペースチューブ体験を一過性のイベントとしてではなく、幼少時から日常的に体験することになるならば、こどもたちは確実に、多様で多彩な新しい能力を自らの力で開発していくのではないでしょうか。

……………………………………………….

■7つのテーマ

[ウォーキングダンス]

ウォーキングダンス」を通じて、子供たちは自分の足裏とスペースチューブの親和的関係を実現でき、足首・ひざ・腰を柔らかくできます。それにより、子供たちは身体を周囲に対して柔軟に開放し、自分の身体を多様な感覚を備えた「敏感なアンテナ」として高めることができます。

[委ねる]

委ねる」を通じて、子供たちはスペースチューブを自分の「第2の身体」にすることができ、スペースチューブの布の感触・張り具合・ロープの強度などを自然に体感できます。それにより、子供たちは自分がスペースチューブになったような意識の拡張を体感できます。

[バランスをつくる]

バランスをつくる」を通じて、子供たちは一度は崩された身体のバランスを回復させ、新しいバランス感覚を獲得できます。それにより、子供たちはスペースチューブの中で自由に動き、それまでは出来なかった跳躍や斜めの姿勢での停止など、さまざまな運動の開発に挑戦できます。

[闇の中で耳を澄ます]

闇の中で耳を澄ます」を通じて、子供たちの感覚は研ぎ澄まされ、それまで聴こえなかったが聴こえたり、それまでしなかった匂いを感覚できます。それにより、子供たちはスペースチューブの内部に異次元世界が共存しているかのような気配を体感できます。(闇・微細な音・微細な匂いを使用)

[光の中で身体が溶け出す感覚を味わう]

光の中で身体が溶け出す感覚を味わう」を通じて、子供たちはスペースチューブの内部と外部の境界が無くなるように感じ、自分の身体が外部に溶け出していくような感覚を体感できます。それにより、子供たちは自分たちが住む空間とは別の空間が存在することを空想したり、二つの空間を自由に移動できる感覚を体感できます。(溢れる光を使用)

[リアルな身体を映像の身体に重ねる]

リアルな身体をイメージの身体に重ねる」を通じて、子供たちはリアル(現実)とイメージ(仮想)の差について身をもって認識することができます。それにより、子供たちは、リアルとイメージの組み合わせによる新しい創造が可能になることを学べます。(ビデオカメラ・プロジェクターを使用)

[浮遊し、落下する] 

浮遊し、落下する」を通じて、子供たちはゼロ重力と1重力の間の疑似的無重力を体験でき、浮遊状態の中でさまざまな未知の姿勢を形成できます。また、浮遊から落下する時に、まるで宇宙飛行士が地球に帰還した時のような安堵の感覚を体験できます。それにより、子供たちは自分が1重力の地球環境で育った「体重をもつ存在」である事を認識し、将来宇宙環境に進出した時の自分の姿を想像できます。

…………………………..
[all rights reserved copyright @ tokyo space dance 2018]